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偉大なる巨匠の死

世界的に有名なドイツ出身のバリトン歌手・フィッシャーディスカウが亡くなったのを、今日のレッスンで知って驚いた。

(享年86歳だったらしい。うちの祖父とほぼ同世代だったのね。。。。。)

4110080644.jpg
m.jpg




昨日、たまたま数年ぶりにディスカウの演奏CDを聴いていたから。


【ディースカウ演奏『菩提樹』動画】




更にたまたま偶然なことに、
ずいぶん昔のドイツの音楽大学の夏期セミナーのご案内の書類を見つけ、そこにディスカウ氏のマスタークラスが載っていて、いつか私も受けたいと思ったばかり。



高校時代からディスカウを聴き、
ディスカウの歌うシューベルトの歌曲に魅了されてやまなかった。
声楽の道をキラキラと輝かしいものに感じ、一心に進んできた、こんな私のところにも、
ディスカウの魂が訪れてきて下さったのだろうか。


まるで虫の知らせのようなシンクロ現象だった。


(以前、友人が病死したときも同じような現象があったのよね。。。)



ディスカウのドイツ歌曲は、歌を始めたばかりの頃にイタリアオペラそっちのけで聴き漁っていたし、
私の断然ドイツ派を確固たるものにしたのも、ディスカウ様の功績だったかもしれない。



また、
中学時代の担任の先生からいただいた、NHKのとある番組で、ディスカウがシューベルトの歌曲(鱒や魔王、水面に歌うなど)を生徒に指導しているVTRは未だに大切に持っており、学生時代は何度参考にしたか分からない。



そして、私の尊敬するソプラノの先輩がディスカウのマスタークラスを受講し、師事していたことがあり、
いつか私もうまくなってディスカウ氏に指導していただきたいと学生時代から夢見ていた。

…もう、どんなに頑張っても、叶うことはないのだな…。



そして、
モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」を勉強していた二期会研修所時代は、
数多く存在するDVD,CDの中で、ミレッラ・フレーニとヘルマン・プライ、
フィッシャーディスカウの出演する作品がピカイチで大好きで、どれほど観たか分からない。

ディスカウ扮するアルマウ"ィーウ"ァ伯爵は、気品と威厳を兼ね備えており、安定感もあって最高だった。


ディスカウのドイツ歌曲は、知的で理性的で厳格で紳士的で、
それでいてロマンチシズムと詩的な叙情感もあり、
私にとって「歌」というものの存在を、とても高尚で哲学的な芸術として高めて下さった、まさに理想そのものであり、憧れであった。



またしても、素晴らしい巨匠をこの世から去らせてしまったことを惜しく思う。



人生には限りがある。
「またいつか」「そのうち」
そうやって
ちんたらちんたら生きてるうちに、
ボヤボヤしているうちに、
得られるはずのチャンスや、叶うはずの夢は二度と訪れなかったりする。


だから、「今」夢を叶えるために、動き出すしかない。
目標のために、夢や憧れ、理想のために
「必死に」今を生きるしかない。



そんなことを改めて思った。


そうじゃないと、
偉大なひとは、どんどんこの世から去っていく。
どんどん惜しいひとを亡くしていく。


これだ!と思ったものに向かって突き進んでいく勇気と力を持って、
素晴らしい方々に出会えるような自分になりたい。
素晴らしい、一流のプロと呼ばれる方々に出会い、同じ空間で同じ想いを共有するには、
自分がそのレベルに達するまで努力をしていないと不可能なのだから。



この世を去られた後も、
私たちはそれを遺して継いでいくための責任があるのよ、
と師匠にはよく言われる。


今回、それを改めて感じた。



今のままのたるんだ自分ではなく、
使命感を持って、
自分のあのときの夢や感動に向き合っていかなくてはいけない。


なんとなく、生きて、歌っている場合じゃない。

より憧れの近くに行くために
より本物に向かって
現状に満足せず、広い視野と高い志を持って、芸術に向き合っていきたい。



私のドイツ語、
まだまだ幼稚だけど
表現も
まだまだ色気も繊細さも自由自在に、思ったように出せるテクニックもないし、
声にも
まだまだ自由自在なコントロールが効かないし、
それでよく嫌になって自暴自棄になるけど、
先が長ーく感じられて、うんざりすることもあるけど




もっともっともっともっと、
原点に立ち返ってシンプルになったら、
そんな余計な雑念に邪魔されずに、まっすぐに突き進んでいける。


あの頃の憧れに向かって。




今、私が勉強しているのは
大好きなロベルト・シューマンのドイツ歌曲集『女の愛と生涯』を全曲。



それは大変高い理想と要求があって、今の私はなかなかそこに辿り着けない。
言葉とか、フレージングとか、共鳴とか、呼吸とか、大きな壁がまだまだたくさんあって、
やればやるほど奥が深く、
それに反比例して自分の底の浅さが露呈し、
私がそれを乗り越えられる器なのか不安になったりするけれど、


あの、初めて聴いたときの感動と憧れをただただ思い出せば、次に進められるような気がする。





フィッシャー・ディスカウ氏、どうか安らかにお眠り下さい。
そして、あなたの芸術が、永遠にこの世で大切にされ、この世の光となりますように。






【ディースカウ歌:音楽に寄せる】









An die Musik~音楽に寄す~


気高く優しい音楽(芸術)よ

我が人生が灰色に染まり
悩み苦しんでいたとき、

何度、あなたのおかげで
私の心はあたたかい愛で満たされ、
よりよき世界へと飛翔できたことだろう。


あなたの竪琴から流れる
甘く聖なる和音にため息をつき、
天国が私の目の前に開かれるのをみた。

気高く優しい音楽よ、
私はあなたに感謝している!
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[ 2012/05/20 22:32 ] オペラ・ミュージカル | TB(0) | CM(0)

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