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黒い真実

もう先月の話になりますが、
上野の国立西洋美術館でやっていた「ゴヤ展」。観てきました。

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ゴヤの作品たち。
それは情熱の国・スペインの風土をそのままに描き出すのみならず、
当時のヨーロッパ社会の光と影を辛辣に伝える、とても興味深いものです。



着衣のマハ(※マハとは人の名前ではなく、マドリードのダウンタウンにいる小粋な町娘のこと。)
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子供の頃、ゴヤの真っ黒な画風が実はちょっと苦手でした。
なんだか全体的に漆黒のような闇がかっていて、
そこに描かれる人物たちもグロテスクな表情を浮かべており、
とても強烈な印象。。。。。
小学生の私にとっては、ちょっぴりホラーだったのでした。


私の祖父母が趣味で絵画をやっているのですが、
その関係だったり、美術館の会員だったりした関係で、毎年毎年ふたりは世界中のどこかの
美術館を巡るツアーに参加していました。


ウィーン、プラハ、モスクワ、オーストラリアのシドニー、アメリカ本土、北欧3国、ドイツ、
イギリス、ベルギー、オランダなどなど、、、、スペインもしかり。


そこで、プラド美術館でゴヤを観た!!!という祖父が見せてくれた写真や画集は、
観てて楽しくなるようなものではありませんでした。
どちらかというと、衝撃的で、陰鬱になり、気分が落ち込むものばかり。




ところが。。。。
2006年のスペイン/アメリカ映画『宮廷画家ゴヤは見た』(Goya's Ghosts)を観てから、
私は彼の作品に猛烈に興味を持ったのです。



あの映画は。。。。本当にすごかった!!!


何が凄いってやっぱり、ナタリーポートマンの熱演がすごい!!!!
美しく若い女性が、気が狂って、醜い老婆になっていく姿を見事に演じきっていたのでした。
(また、ナタリーがイスラエル人だからこそ、あのユダヤの絡んだ役にまた熱がこもる!!)


そして、
西洋史の中でも特に興味深いカトリック教会による残酷な「魔女狩り」「異端審問」
「火あぶりの刑」「ギロチン」「宗教裁判」がテーマになっているということ。


世界史の中でも、そのあたりの時代はとても興味深く、文献や映画もたくさん見聞きしました。
その中でも特別に印象に残っているものは、子供のころに読んだガリレオ・ガリレイの宗教裁判や、
火あぶりの刑にさらされたジャンヌ・ダルクなどですが、
その、文章と想像の世界でしか触れられない当時の世界が、この映画ではかくもリアルに、そして
想像を遥かに超えたむごさで描かれているのです。


ゴヤのリアルタイムで観ていた世界・描いた世界というのは、まさにその時代の景観だったのだな、と
改めて感じました。



それを踏まえた上で味わうゴヤの作品はまた別格の想いが湧き上がります。



ゴヤの初期の作品は
意外なほどロココ趣味でとても優美。
見ていて安心するような淡い色遣い、昼下がりや喜遊曲(セレナーデ)がとても似合う、
宮廷画家としてのお役目を果たしております。


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ところが。



世の中の矛盾と残酷さを目の当たりにしたゴヤは、
優雅な宮廷画家としてだけではとどまれず、
やがて、従来の宮廷画家の幅を遥かに超越した、
真実をありのままに、そして辛辣に表現する、メッセンジャーとしての変化を遂げていきます。

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ナポレオンの侵略によりスペイン本土が戦争の渦中に巻き込まれ、
戦闘や爆撃によって老若男女の多くの尊い命は奪われ、王族は失脚し、
多くの人々が断頭台の露となり消えました。

ゴヤはその光景を、町中の狂乱を、余すところなく伝えようとします。


これらのホラーのような作品は、ゴヤの目の前に広がった光景だったのでしょう。
これらが繰り広げられている世界…。
現代の日本に生きる私にとっては、まさに想像を絶します。



また、ゴヤは愚鈍な人間を皮肉を込めて「ロバ」として表現しています。
ゴヤは特に聖職者の堕落・腐敗を痛烈に批判し、
ロバには教育・医療・芸術といった人間のもっとも高貴な行動を演じさせています。

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これが思わずクスっと笑いたくなってしまうような、
ユーモアに富んだ風刺の仕方なのです。
ゴヤの、怒りの中にも遊び心を忘れない精神、を感じました。


猛烈に醜く描かれた聖職者たちの顔さえも、なんだか可愛さすら感じられ、笑ってしまいます。
そんなわけで、版画だらけのモノトーンの作品集たちが並ぶコーナーですらも、
飽きることなく楽しく観賞することができました。

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それ以外にもゴヤの絵は、スペインならではの
闘牛場の作品があったり、(闘牛士の危険性も風刺しています。)
スペイン独特のエキゾチックで華やかな衣装が描かれていたり
(オペラ『カルメン』4幕の華麗なる舞台の絵そのもの!!!)
舞踊の様子も描かれていたり、

いかにもスパニッシュ!!!!!特有の文化を伝えていて、とても面白かったです。



また、実物の『着衣のマハ』に魅了され
(映画『裸のマハ』で妖艶なぺネロぺ・クルスを観た私としては魅惑の「裸のマハ」もぜひ見たかった!!)
とても見応えのある展覧会でした。



カルメンの世界にどっぷりつかった者としては、
このスペイン!!スペイン!!スペイン!!!!の雰囲気が最高!!!



カルメン・スパニッシュギター・フラメンコ・闘牛士・スペイン料理。。。。。
そのどれもこれもが今、私の興味をそそります。
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[ 2012/02/27 00:30 ] アート | TB(0) | CM(0)

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