上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。







スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ソプラノリサイタル

先日は、私の心から尊敬する我が師匠のソプラノリサイタルを聴きにいきました。



前半はスペイン歌曲やスペインのオペラ、
そして後半はゲーテやシェイクスピア等の文豪の作品を題材にしたフランスオペラのアリアという、


スペインとフランスの2つの国の世界を、音の響きでたっぷりと堪能できる
非常に興味深いプログラムでした。




特に胸に響いたのは、前半のスペインシリーズ。
師匠といえば、日本ではなかなか演奏されないスペインの作曲家の作品を取り扱うことが
以前からお得意なので、これまでにも師匠の舞台で何度もスペインものを聴かせていただいてきたのですが、


今までの比にならないくらい、
音にスペイン特有の明暗や色彩感を感じ、
旋律の繊細な美しさがよりくっきりと濃さを増して私の心に響き渡り、
音の質感も、温度感も、複雑で混沌としたダークな世界の中に、
一筋の救いのような希望の光が差し込んできたときのあのたまらない天上の美しさも、
本当に私たちの目の前にゴヤの絵があって、
それをありありと見ているような感覚を覚えたのでした。




テーマはスペイン風の!?《愛と死》。
それらの作品たちは複雑な感情が絡み合って入り混じった、
決して分かりやすくて単純明快な感情表現や音楽ではなく、
聴き手のこちら側にも、これまでの深い人生経験や感受性が問われるように思います。



しかし、それらがスーッと胸に染み渡り、
なんとも言えない切なさや悲哀がこみ上げてきて、
その感情にどっぷりと陶酔することのできた私は、
きっとここ何年か生きているうちに感受性のひだが増えて、
師匠の表現する、ミクロに繊細で緻密な世界観や
細やかな感情表現が、自分の心に共鳴するようになってきたと捉えていいのでしょうか!?(笑)



先日、ブログにも紹介したように、
ちょうどタイムリーにゴヤの展覧会を観た影響もあって、
より手にとるようにその光景が思い浮かんだのもあるでしょうし↓
http://chatotone.blog.fc2.com/blog-entry-880.html

スペイン映画(ゴヤの映画など)を観たり、哀愁漂うフラメンコのスパニッシュギターに
心持ってかれる今日この頃、ということも、大なり小なり効果を発揮しているのかもしれないですが、
しかしそんな上っ面なものではなく、師匠の奏でる音楽は、もっともっと私の心の奥の奥の方に訴えかける力がありました。



大人になるにつれて、
人生というものは、とても複雑に成り立っていて、
光も闇も両方持ち合わせているということ、
楽しい、嬉しい、という単純なものではないこと、
痛みを否定し、光だけを受け入れようとする、
都合の良い無理やりなポジティブ論だけでは処理しきれない
様々な経験が増えていき、

その結果、それらの痛みも自分の一部だと受け入れ、
光も闇も酸いも甘いもを小脇に抱えて、自分が他に与える愛の表現が深みを増していく、
そんな人生が最良で最上なのではないか、



震災以降特に、そういうことを考えるようになったのですが、
師匠のリサイタルは、そんな私の混沌とした心の隙間にふっと入り込んで包み込み、
そういった光と影も「人生の味わい」として肯定してくれるような感覚があったのです。





特にたまらない美しさに心が鷲づかみになったのはこちらの曲↓
http://www.youtube.com/watch?v=8nbMI1HG3co
(師匠の演奏をお聞かせできないのは残念!)



誰もいない、
薄暗く、冷たーい石畳の回廊に響き渡る、ピアノの固くて冷たい悲しみの音から始まります。


(ピアノもまさに圧巻で、ここが日本ということを忘れさせ、
私たちを夜の帳を卸したスペインの街に脳内トリップさせてくれるような、
寒々とした残響を残したピアノ演奏です。)


そして、混沌とした闇の中から、愛する人の死を目前にした女性の孤独な嘆き・叫びが
この空間を割るように響き渡るのです。


一見、重々しい空気が私たちを包み、
我々はその想いに言葉が分からなくても、問答無用に押しつぶされそうになります。



しかし、
その後に、分かる人にしか分からないであろう、
温かなぬくもりのある光が、ひそかに我々を包み込むのです。
その瞬間の和声が、たまらない極上の美を誇り、
まさにこの瞬間のためにこの曲を聴いているといっても過言ではないぐらい。(笑)
(↑上記の動画の0分43秒、1分35秒あたりからを聴いてみて下さいね)


またその血の通ったあたたかな表現、祈りにも似た美しさを紡ぎ出すことが山本先生も浅野さんも
本当にお見事で、我々の心も浄化され、救われる想いでした。




いつか私もこんな難曲を歌いこなせるようになりたいなぁ。。。。。
そんな日が・・・果たして私にやって来るのでしょうか?^^;




※せっかくなので、私の感動した悲哀たっぷりのこの歌曲シリーズを紹介します。その2はこちら。↓
http://www.youtube.com/watch?v=GyRWVsHX0Qs
その3↓
http://www.youtube.com/watch?v=d-U-mfpfFj0&feature=related



今まで知らなかった分野や名曲に出会ったときのときめきって、
本当に刺激的でクセになります!!!




そして、
今回の師匠のリサイタルで一番刺激的だったのはこちらの曲に出会ったこと!!


モンサルバーチェ「黒人の子守唄」↓
http://www.youtube.com/watch?v=xzfEg8K1HTk&feature=related


ジャジーなコード進行とキューバ音楽特有のハバネラのリズム。
それは現代のお洒落な昼下がりのボサノバミュージックのような雰囲気。
小野リサのCDに収録されていそうなそのリズムと音の運びを、まさかクラシック音楽の
コンサートで耳にするとは思いもしなかったので、本当に驚きでした。


しかし歌詞の意味はもっと深刻で奥深く、黒人の社会における立場を辛辣に描き出しており、
それに相反して妙に生あたたかい!?真綿の優しさのような表現が、
雰囲気やファッション感覚で歌ってしまう流行音楽とは全くの別物。
まさに「芸術」の域に高められていたのでした。


そして、大きな灼熱の太陽が、湿度の高いまどろんだ街を照りつくし、
陽炎がゆらゆらと空気中をたゆたう、そんな穏やかな熱気がホールを包み込むのです。



一体ぜんたいどうやったら冷たい石畳から、ゆらゆら陽炎まで、場内の温度を変えられるのかしら?(笑)





また、そのほかにも早口の激しい、ダンサブルなラテンナンバーも師匠はお手の物。
キレの良すぎる音楽が、今にもそこで激しく踊りだしそうな雰囲気で、とても楽しかったです。




後半のフランスオペラシリーズでは、先程の雰囲気とは一転。
なんだか声の色やピアノの音まで変わってしまって、
陰影の含んだスペインの作品に比べ、華やかさや分かりやすいロマンチックさが全面に出た雰囲気に!



ピアノも一気に豪華絢爛さと華やかさが増しましたし、
スペインもののような濡れたように黒い影や闇は姿を潜め、
特にラストの「宝石の歌」は会場を一気に明るくする華やかさがありました。
師匠のミカエラは初めて聴きましたが、まさに圧巻。
アンコールでは笑いも起き・・・
私はやっぱり舞台で笑顔と明るさを振りまく先生の姿が大好きです!


日常の仕事のせわしさや現実を忘れて、
異次元、異世界に誘われた贅沢な時間でした☆






世界にはこんなに美しい曲があるのだと改めて伝えて下さった師匠に感謝です!!
これからもその美しくあたたかな心地よい歌声が、たくさんの方々の心の奥に届くことを心から
楽しみにしています。
私もその背中を追い続けられるよう・・・がんばらなくては!!!!!












201204_16_32_f0068232_21394672.jpg

http://chatotone.blog.fc2.com/blog-entry-880.html
スポンサーサイト
[ 2012/04/21 22:04 ] オペラ・ミュージカル | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://chatotone.blog.fc2.com/tb.php/964-bfa9313e